ウォーキングの水分補給
◆正しい水分の補給◆

ウォーキングを行うときに、忘れてはいけないのが「水分補給」です。特に夏場などは、脱水症状などトラブルの予防として大切です 。

ウォーキング時の水分補給には、水温10度前後の少し冷たいと感じる温度の飲料がおすすめです。冷たさで胃が適度に刺激され活発に働くようになるので、効率的に水分を吸収できます。特にウォーキング中は、時間を決めて喉が渇く前に飲むことがポイントです
  • ウォーキング前の30分から60分前にがぶ飲み、たくさん飲みすぎない300〜500mlをゆっくりと飲む。
  • ウォーキング中は15〜20分間隔など定期的に喉の渇きと関係なく摂り、200mlを何回かに分けて一気に飲まないように、口に含んで噛むようにして飲む。


◆ウォーキングに適した飲料水◆

ミネラルウォーター 水分だけでなく、カルシュウムなどのミネラルも補給できます
スポーツドリンク エネルギー代謝に必要な糖分や塩分の補給ができます。ただし糖分の多すぎるものはカロリーオーバーの原因になるので注意がひつようです。

ウォーキング時の水分補給には、体温調節と汗が関係しています。人のからだは、体温を一定に保つ働きを持っています。この体温調節機能は、平常時では主に呼吸で果たされていますが、外気の温度が体温と同じくらい高くなったり、ウォーキングなどの運動によって急激に体温が上がる場合には、呼吸だけでは体温調節をすることができなくなります。特に高温・多湿の環境下では働きが足りません。そこで、からだは「汗」をかいて体温を下げようとするのです。

◆汗をかく仕組◆

体内の熱が上がる:呼吸だけでは熱の放出ができなくなる→体内の水分(汗)を発散させる→汗が蒸発することで、体内の熱も放出される
からだの65〜70%は水分でできていますが、まず細胞の周辺から細胞、血液の順番で水分を汗として発散させていきます。汗として発散した水分を何も補給せずにいると体内の水分量が不足します。すると汗をかけなくなり、体温だけが上昇してしまう「脱水状態」に陥ってしまうのです。また、血液粘度が高まり、心筋梗塞などの原因になる場合もあります。

「喉が乾いた」と感じる時点で、既に体内の水分は不足気味です。ペットボトルや水筒を携帯したり、公園内の水飲み場などを目標地点にして歩くのもおすすめです。

◆スポーツドリンクの選び方◆

「甘さが控え目で体に良さそうだ」という飲み物の代表が、緑茶やウーロン茶などの茶系飲料と、スポーツドリンクだ。
 熱を出した時などに、医者から「スポーツドリンクを飲むように」と、勧められたことがある人は多いだろう。ポカリスエットの大塚製薬によると「空気が乾燥する冬の売れ行きも案外いいんですよ」という。ただ、清涼飲料は医学的な「効能」をうたえないので、各社とも商品を説明する際の表現には注意を払っており、違いが分かりにくい。味は好みだろうが、スポーツの前後や体調に合わせて実際に飲み比べてみて、自分にあった製品を見つけたい。

◆時間帯別ウォ−キングのポイント◆
ウォーキングを習慣として継続していく場合、睡眠や食事の前後など歩く時間帯によっていくつかの注意ポイントがあります。これらのポイントを押さえながら、自分のスタイルを作っていきたいですね。

☆起床直後
目を覚ましてすぐの運動は、心臓に強い負担をかける恐れがあります。ウォーキングをする場合には、起床後少なくとも1時間は経過してから軽い運動(ストレッチなど)から始めてください

☆空腹時
空腹時でのウォーキングは血糖値が低下しているため、この状態で長時間の運動を行うとめまいや注意力が散漫となったり、意識がもうろうとする場合もあります。また、強い空腹は不整脈を誘発するとも言われていますので、運動の直前に何か甘いものを摂ると良いでしょう。スポーツドリンクなどの糖質(できれば果糖類)を少量摂取してください。

☆食事の直後
有酸素運動で全身を使うウォーキングでは、心臓や肺、活動している筋肉などに大量の血液が必要です。食事をすると消化器官(胃や腸など)に大量の血液が必要になってきます。そのため食事の直後に運動を行うと、体内の血液が不足してしまい心臓に負担がかかったり、側腹部痛(脇腹が痛くなる)などの原因になります。食後は、できるだけ最低2時間は経過してからウォーキングをしてください。

◆就寝直前◆
就寝前に長時間のウォーキングやエクササイズウォーキングなどの強い運動を行うと、睡眠障害の原因になると考えられています。就寝前の2時間は運動をやめ、ゆっくり安静に過ごしてください。

また、朝・昼・夜と歩く時間帯によってウォーキングのメリットにも特徴があります。平日や休日の過ごし方によっても歩ける時間帯が変わってくるので、いろいろな場面で少しでも工夫して歩く時間を作っていきましょう。
夜になると体温が低下し眠くなり、昼間には体温が上昇し活動的になりますね。こうしたからだの自然な流れは“生体内リズム”と呼ばれるものが管理しています。この生体内リズムはホルモンなどからだのあらゆる機能に作用し、バランスを保つ働きがあるので生体内リズムに合わせた時間にウォーキングを行うと、安全でより高い運動効果を得られます。生体内リズムの面からみたウォーキングに適した時間は次の3つと言われています。

◆生体内リズムによる理想的なウォーキングの時間帯◆

午前10時頃
・昼食前
・午後3時頃

可能であれば是非、習慣として取り入れてみたいですね。但し、ウォーキングの効果は継続することで現れますので、時間帯別の注意ポイントを参考に最も実践しやすい時間を見つけてください。